米国で最も大きな本屋チェーン店、バーンズ&ノーブルが復活しているとポッドキャストで知り、何が起こっているのか調べてみました。
Amazonの台頭に、本屋さんは終焉・・・
米国のショッピングモールに行くと、必ずあったバーンズ&ノーブル。
インターネットであらゆる本が買えるAmazonの台頭で、いくつもの店舗が閉店に追い込まれました。
パンデミックで最高売上
2019年にヘッジファンドに買収されたバーンズ&ノーブルは、新しいCEOにJames Daunt(ジェームス・ドーン)氏を迎えます。
2021年、パンデミックで家に閉じ込められ本を読むしかなかったコロナ禍。バーンズ&ノーブルの過去最高の売上を記録します。

そして、2023年には全米で30店の新規開店を計画しています。
Amazonという巨人に対し、どのようにして復活したのでしょうか。
決め手はローカル店による意思決定
ドーン氏は、いままでバーンズ&ノーブルが行っていた、中央集権による本の注文や、画一したベストセラーを並べる売り方を止めました。
そして、各地域の好みや趣味を一番知っているローカルの店員にそれら意思決定を任せたのでした。

セレクションよりもキュレーション
ハーバードビジネススクール教授のFelix Oberholzer-Gee氏はポッドキャストで、この事象から次のレッスンが学べるといいます。
セレクションよりもキュレーション
Amazonは全ての本を取りそろえているセレクションが強み。
しかし、好みに合わせた”レコメンデーション”や、思ってもみなかった本に出会う”発見”を創出するのは苦手。
現在のバーンズ&ノーブルは、このAmazonの弱みを”キュレーション”、人が探した選書で価値を創出している。
キュレーションは、カスタマーに100%合っているかより、選書の独自性が自分で選んでいる感を与えているのではないかと言います。
これが他の小売店にも応用できるかはまだ未知数だとも言っています。
(ポッドキャストを要約しています。直訳ではありません)

こうだと思っていることを疑い、そうでない事を実行できる
インターネットが始まった頃、品揃えが多ければ全てのお客さまを対応できると考えられていました。
現に、小さな書店やトイザらスはAmazonに淘汰されていっています。
しかし、バーンズ&ノーブルの復活を見ると、圧倒的と思われている”Amazon”も、疑う余地はまだまだありそうです。
人の思い込みは本来外しにくいですが、ドーン氏やオーナーであるエリオットマネージメント(ヘッジファンド)は、「本を選ぶ時間をかけずに、何かを発見したいと思っている」の顧客インサイトを掘り当ててつつあります。
参考情報:
How Barnes & Noble turned a page, expanding for the first time in years
After Hours Podcast The Renaissance of Barnes & Noble and Dark Ages for Commercial Real Estate?
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