コミュニケーションを、向上する
”コミュニケーションを向上しよう”、というスローガンは多くの課題解決策に掲げられる。
用いられる課題は幅広く、リーダーの部下支援力、部門間の連携、心理的安全性向上などなどがある。
そして、具体的な策として、定例ミーティングを新たに行う、や、ファイルを共有する等が行われていく。
しかし、コミュニケーションの機会は整ったが、何も改善しない。そもそも何を改善したかったのか、ぼんやりしてしまう。そんな経験はないだろうか?
コミュニケーションは、万能薬のようで、どこか何かが手からすり抜けていく感じがある。
コミュニケーションとは、共有するという行動
ケンブリッジ辞書のコミュニケーションの定義を、ざっくり表すと、コミュニケーションとは「誰かと情報を共有する行為」である。
とても広い領域をカバーしている。広いゆえに、薄いのは当然かもしれない。
例えば、コミュニケーションでも、高圧的に自分の意見をのべたり、相手の間違いを正すよう伝えたりするのも、コミュニケーション。また、相手の立場にたって理解しようとしたり、サポートを申し出るのもコミュニケーションである。
the act of communicating with people
Communication : Cambridge Dictionary
to share information with others by speaking, writing, moving your body, or using other signals: 他の人と話す、書く、身体を動かす、または別の合図を用いて情報を共有する
Communicate : Cambridge Dictionary
コミュニケーションより、コネクション?!
ニューロリーダーシップ研究所のDavid Rock氏は、2022年3月にオンラインで開かれたSummitで、次のように述べている。
「切断された世界(コロナ禍でリモートワークや行動を控えることを余儀なきされた現状)で、いかにコネクション(つながり)していくかが、働く上で重要。素早く環境に適応するために、特に重要。」
そして、質のあるコネクションがもたらす影響について次の5つの点をあげている。
- ポジティブな感情が増幅される
- ネガティブな感情が軽減される
- 複雑なアイディアを共有
- バイアスを軽減される
- 画期的なアイディアが増える
と、その効果を示している。
コネクションとは何か
David Rock氏は、Summitの中で
「質のあるコネクションとは、正確にお互いを理解すること」 だと述べている。
人が相互作用しながら、リモート環境で仕事をしている今、人についても、情報、そしてアイディアも、正確に理解することが重要であると。
ほとんどの場合、リーダー達は、不正確に相手を理解しており、それは、環境に素早く適応するの妨げになっている。
David Rock氏は、「質のあるコネクション」を、「共感」とも言っており、
「リーダーが推測するのをストップして、質問することをスタートしたら、共感が生まれる」と言っている。
コネクションに置き換えてみると、見え方が変わる
では、リーダーが、部下育成やチーム運営を考える時、コミュニケーションしたかどうかではなく、コネクションしたかどうかを考えるとどうなるだろうか?
Q. 今週、どんなコネクションを自分の部下と持てただろうか?
Q. 来月、チーム全体でどんなコネクションが出来ると、チームが活性化するだろうか?
リーダーのみなさん、どうだろうか?
つながっていると、感じられるだろうか。また、相手はつながっていると感じられていると思えるだろうか。
月に1回の1on1が、仕事の進捗を確認する場になっているとしたら、それは、コネクションにはなりづらいだろう。
コネクションを実現するには
そのためには、
メンバーの状態に興味をもち、
相手の見えていることを理解をする
そして、必要なサポートを考えてもらい、
それをリーダーが実行する
コネクションが質のあるものにするための要素は上記となる。
同じオフィスで顔を合わせないからこそ、オンライン・ミーティングの場を、「コネクションを作る場」と意図的にとらえることで、関係性が向上すると考える。
是非実験的に試してみていただきたい。
参考:
https://summit.neuroleadership.com/
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