メンタル・メインテナンスの一つ、「ジャーナリング」。
ジャーナリングとは、日記を書くこと。
ニュアンスに違いがあるとすれば、その目的が、より平穏なマインドを手に入れ、より明瞭にビジネスに向き合える点といえるだろう。
先日、 Forbesに3つの質問に答えるジャーナリングの手法が紹介されていた。
1. 何があったか?
2. それによって自らの情動にどのような変化があったか?
3. ここから自分について何が分かるか?
出典元:Fobes 「3つの質問」に答えていくと、自分の心の動きが見えてくる
3番目の問い「自分について何が分かるか?」が、新鮮だった。
ビジネスに積極的に取り組んでいる場合、当然のことながらタスクや目標に対してコントロール感があり、自分は自分のことを主体として実感している。
しかし、そもそも”自分”のことはさほど知らないのではないか。
この前提であれば、感情に向き合うことは、何か新たな発見が得られるプロセスと位置付けられる。
組織で起こる理不尽な出来事や、プロジェクトで発生する難題に遭遇した際、冷静ではいられず、自身の感情的なリアクションに圧倒され、状況にのまれてしまう場合がある。
しかも、感情の対処の仕方は、ビジネススキルのように学ぶ機会も少ないため、しまい込むか、感情を出さずに処理しないケースも多い。
3つの問いを自身に投げることは、事態をスローモーションで再生し、出来事とそのリアクションを客観的に観察することを可能としている。
さらに、リアクションをジャッジ(良い悪いの審判)するのではなく、”事象”と”リアクション”と”自身”の3つにほぐしてくれる作用がある。
問題は、ほぐれた時点で、半分は解決していたりするものだ。
また、観察で発見された”自身”は、いつもの自分かもしれないし、新たな一面が見つかるかもしれない。”こんなことも気になる性格だったのか”と落胆したり、”これはやはり譲れない部分なんだな”と、納得したりする。
どのような発見でも、それらは、もはや感情の波ではなく、これから自分がどのように対処したいかの、自身の取扱説明書になっていく。
このように、ジャーナリングは、様々なビジネス状況においても、平穏なマインドと、対処可能な粒度に事態をほぐしてくれる効果がある。
ビジネススキル向上だけでは、うまく回らない場合、メンタル・メインテナンスを取り入れることで前向きな行動を引き出せるだろう。