knowner 知っている人
MicrosoftのJoe Whittinghillが2016年のNeuroleadeship サミットでの講演で下記のように述べていた。コロナ後のトークかと思うくらいその内容がピッタリだった。
He is challenging everyone at the company to move from being a culture of knower to a culture of learner
“知っている人”の組織文化から、”学ぶ人”の組織文化へ変わることをCEOは求めている
Joe Whittinghill Microsoft General Manager, Talent, Learning, Insights
上司は、私よりも多くを”知っている人”。
“知っている”からラダーの上にいる。
メンバーたちは、分からない事があると、上司に聞き、上司は答えを持っている。
そういう前提で組織はラダーになっている。
しかし、もし”知らない”だらけの環境で、リーダーはどうするのだろうか。
“知らない”時のリーダーの対応
その限界は、ヒューレット・パッカードでグローバルのメール・マーケティング導入プロジェクトでメンバーとして遭遇した。
本社からテスト配信された日本向けメールマガジン は、レイアウトが崩れ、日本語の改行はめちゃくちゃだった。
プログラムのグローバルリーダーは、米国本社の英語のみを話すDaryl。日本語の変則処理やダブルバイトについてメール・エンジンに装備して欲しいと依頼した。
Darylは、アジア圏が特殊なスペックが必要なことをそれまで知らなかった。日本側からの事細かな要求を聞き入れ、ツール提供会社と共に対応してくれた。Darylは、失敗から”学ぶ人(Learner)”だった。
今のリーダーも知らないことに直面している
2020年、在宅勤務に変わり、お客さまへの営業訪問も制限される中、リーダーもこの事態をどのように対応するのが”正解”なのか”知っている人”はいない。
ましては、”若い頃はこうやって(様々な過去の成功体験)スキルを学んだ”。と言っても、同じ事はもう出来ないのは明らかだ。
新しいやり方を探し、実践して、そのトライアルから学べる人。そんなリーダーが求められている。
つまり、リーダーは、いち早く失敗して、それを認めて、そこから学ぶことで、次に進んでいく。そんな要素が必要だ。
リーダーが自分より失敗を多く体験するなんて想像できるだろうか。
でも、多分、その方が、メンバーも失敗やミスも気兼ねなく出来るだろう。
リーダーとして失敗を経験した人だけが、新たなやり方を見つけ、方向性とエネルギーをチームにも与えられるのだろう。
今日の気づき
メンバーの学ぶ量は、リーダーの学ぶ量に比例する
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