2020年10月、横浜市保土ヶ谷区役所主催のエンディングノート活用講座で、ファシリテーターとしてワークショップ を実施しました。

これからの生き方を考える

エンディングノートでは、相続のための遺言や、通帳や銀行口座を書き記し、整理しておくことが主な狙いです。保土ヶ谷区役所のエンディングノートでは、これまでを整理するだけでなく、これからについても同時に考えられるよう、「これからのわたし」欄が18ページに設けられています。

保土ヶ谷区版エンディングノートより

点としての現在、線としての現在

ワークショップ では、これまでの仕事で得られたものを作品に表現していただきました。

現在いる地点は、”点”として今までの出来事から独立して存在するものでなく、これまでの経験や思考が蓄積され、連続した”線”の先端に存在している。そんな風に捉えて問いを投げかけ、「これまでの仕事で得られたもの」作品が出来上がりました。

参加者の方の1作目の作品たち

何らかの制約…

本当に自分にとって重要なものが見つかれば、それに焦点を合わせて生活し、より充実した気持ちが得られるだろうと誰もが解っているでしょう。しかし、さまざまな制約から、その願いになんらかの折り合いをつけて少し諦めながら日々の生活を過ごしているのが現状ではないでしょうか。

ワークショップ では、そんな普段の回路を外して、「本当はこう生きたいんだけど」を2作目の作品として形にしていただきました。

参加者の方の1作目と2作目の作品

考える場としての市民講座

今回参加された方からは、「聞くだけの講座と思っていたけど、レゴをやってみて楽しかった」など、講座の手法に関する感想を多くいただきました。

通常の市民講座では、講師から”知識”や、”手法”を教わることが多いと思いますが、今回の講座では、レゴ演習を通じて、お一人お一人の内省を促進させ、ご自身の考えを掘り下げていただきました。

“これからの生き方”は、どこかに正解があるものでもなく、かといって、1人で考えるには手がつけづらいテーマです。その点、レゴ®️シリアスプレイ®️は事前知識や特別な技能も必要なく、誰でも手を動かしながら考えられるアプローチなので、市民の方に楽しく真剣に考えていただくのに適したアプローチだったと感じました。

教わるから、考えるへ

コロナ禍で、予想もしなかった事態が起こり、社会や個人の生活に大きな変化を長期間あたえています。

これからも不確実なことが起こりうると思うと、いつか誰かが考えた知識を他の誰かから「教わる」より、自分が「考える」ことを常とし、その「考える手法」や「考える質」をいかに高められるかが重要になってくると考えます。

今回の講座のような“考える場”を、市や行政が提供することで、企業や一部の教育機関に限らず、楽しく真剣に考える方法が、より多くの人に、よりアクセスしやすい形に広がっていければと思っております。