前提を考える
考えることについて、私たちがどんな前提を持っているか考えてみます。
- 考えると答えがでる
- たくさん考えた方が少なく考えるより「良い」
- 考える術を持っている人はより賢い
考えることは問題解決になり、量は多ければ多いほどよく、賢者という社会的ステータスにつながります。
これらは、私たちが小さい頃から教えられ育ってきた、考えることを奨励する文化です。
考え方の特性に気をつけて
しかし、「考える」ことを理解しているかというと、そうでもないと思います。
職場で嫌なことがあり、帰りの電車でその事が頭から離れず、夜も眠れないという経験が私もあります。このような反芻がもたらすのは、さらなる心理的疲れと寝不足です。
どうして脳は、こういう場合でも考え続けるのでしょう?

脳にはこんな特性があります:
- 注意を注いだものに、より注意がいく
- ネガティブはポジティブより強い
つまり、嫌なことに気を向けると、余計にそれが考える土台にあがり続けます。
重要性や意味があるから考えるのではなく、注意を払ったから、さらに注意がいく、そういう作りになっています。
また、ネガティブな内容は、よりインパクトが強いため、消えづらい性質があります。

反芻、その時のために
そこで、考えるを停めるために「考えすぎないスキル」を身につけることをお勧めします。
『Live More Think Less』(以前も紹介した)では、反芻している時は、”電車を見送る”演習をお勧めしています。
電車見送りプラクティス
- ”考え”が浮かんできました
- 反芻状態になったら
- その”考え”の電車にのらない
- プラットフォームに残り、電車を見送ります
習慣化できるまで、繰り返し練習する必要がありますが、意識的に電車が動き出すことをイメージします。

脳は考えるために出来ていない
リサ・フェルドマン・バレット博士は、「脳は考えるために出来ていない。全身のエネルギーを調整するためにある」と言っています。
「考える」ことは脳にとっては本業ではなく、意外と苦手なのだと思います。
考えるを停めるスキルを身につけることで、「考える」をより自在に扱えるようになります。
参考情報:
Neuroleadership Institute
Live More Think Less by Dr Pia Callesen
Photo by Vincent Chan on Unsplash
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プラクティスについて:
上記のプラクティスは、治療方法ではありません。精神的なお悩みがある方は、専門家のいる医療機関にご相談ください。