4月になり新しいメンバーを迎えたり、新しいチームを率いるリーダーも多いと思います。

そこで、なるべく早くメンバーがチームに溶け込めるための話すための準備をご紹介します。

話し合いは難しい

信頼関係を築くために、1on1を設定したり、メールを頻繁に送ったり、コミュニケーションを取りますが、本当のところ、人と人が話し合うのは難しいものです。

コミュニケーションを取らなければいけないから取っていると、この前提を見落とし、関係構築が余計うまくいかなくなることがあります。

話し合いは相手にとっても、上司にとっても両者にとって難しい。
それは、人は知らないものに脅威を感じるように出来ているからです。

自分の感じ方と相手の感じ方は異なる

「なんでそう思うんだろう」と思うことでも、相手は別の感じ方をしていることがあります。

立場上、上司の方は「話せばいいのに」「なんで相談してこないんだろう」と思いがちですが、相手にとっても想像以上に話す事が難しいことがあるのは、個人個人で脅威のポイントとレベルが異なるからです。

話し合いのどこが難しいのか脅威カテゴリーを探す

このブログでも複数回でているSCARFモデル(スカーフモデル)で、脅威をカテゴリーでチェックできます。

例えば、着任早々、新任のメンバーが遅刻、当人はその組織でのステータスが下がったと感じます。これは、Status(地位)カテゴリーの脅威。

新任のメンバーは、上司がどのような人で、どのような管理をするのか分かりません。その場合、Certainty(確実性)カテゴリーの脅威が高まっていると予測できます。

人事異動で希望していない部署に配属されたメンバーの場合。自分で選択していないこと(Autonomy 自己選択感)で、ネガティブな感情を部門に持ち、それを上司に打ち明けることに脅威を感じます。

関係性(Relatedness)は、初対面の上司と部下の場合は、ほとんど関係性が作られていないため、脅威が有ると思っていいでしょう。

Fairness(公平性)は、例えば、中途社員や、別の職種から異動してきた場合、既存のメンバーと自分を公平に見てもらえないのではないかと、脅威を感じると推測できます。

話し合いの前にできる3つの準備

1,SCARFモデルで、相手の脅威を推測する

  • 上記のように、A4の紙に人型の絵を両端に描きます (相手と自分を離して考えるため、必ず人型を書いてください)
  • 中央にスカーフモデルの5つのアルファベットを書き、各カテゴリーで現在の相手の脅威になりうる事柄とそのレベルを推測し、書き出します

2,SCARFモデルで、脅威カテゴリーが考えられたら、それを軽減できる策を考えましょう

  • 不確実性を軽減するために、マネージメントスタイルを説明する
  • 関係性を構築するために、メンバー全員で簡単なチームビルディング演習をミーティングの際に行う

3,話し合いの場の設定は、パーミション(許諾)を得ていきます

  • 許諾というと日本語では分かりづらいですが、相手にオプションを選ばせる形で許諾を得ていきましょう
  • 「30分ほど時間をとってもらって、簡単にお互いの自己紹介をする時間を取りたいのだけど、明日の午前中か午後だったらどっちが良い?」
  • この時、いつがいい?と自由に答えてもらうよりも、具体的なオプションを2つ〜3つ用意するのが良いです

SCARFモデルを活用した、話し合いの準備、ぜひ試してみてください。

Photo by Cristina Gottardi on Unsplash