社員の心理的安全性を担保するのに、フェアに扱ってもらっているかどうかという点があります。(参照:Scarfモデル)この記事では、混ざりやすい平等も合わせて、公正について考えていきます。
平等と公正の定義
まずは、定義を見てみます。
- 平等とは、かたよりや差別がなく、みな等しいこと。また、そのさま。
- 公正とは、公平で偏っていないこと。また、そのさま。
- 公平とは、すべてのものを同じように扱うこと。判断や処理などが、かたよっていないこと。また、そのさま。出典:デジタル大辞泉
つまり、
平等とは、等しく何かが与えられている状態。
公正とは、すべてのものを同じように扱えている、判断や処理などが偏っていないこと。
といえます。
平等は権利に、公正はプロセスに
Shawn Manaherさんが、平等(Equal)とは人権に関わる概念、公正(Fair)とは正義に関わる概念とブログで説明していました。
組織でいうと、
社員の尊重されるべく権利は平等に、全員が同じ分量を手にすることができる。
意思決定や判断など、決定とそのプロセスを公正にしていく。
という区分をすると分かりやすいです。
平等はあらかじめ人にあるモノ(権利)を尊重することですが、
公正は創っていかないと組織ではなかなか実現しないものといえます。
平等ばかりにはできない
組織では、すべてを平等にすることはできません。
例えば、昇進や昇給は、全員を同じように扱うことはできません。
また、社員アンケートの要望をすべて聞き入れるのは平等ですが、要望を出す権利が全員にあれば、どのように対応するかの判断は平等でなくて良いわけです。
しかし、判断は公正である必要があります。
では、公正な判断とはどういうものでしょうか。
公正をフェアを置き換えてもっとイメージしやすくする
公正をフェアと置き換えるとイメージしやすいです。
スポーツのように、そのプレイやジャッジがフェアかどうかをあなたの組織にあてはめて考えてみると想像できると思います。
- 自分の仲の良い選手だけ、セーフにしていないか?(仲の良いメンバーはどのリーダーにもいます)
- よくしゃべる選手だけ、機会を多く与えていないか?(連絡をまめにしてくる近しいメンバーをより優秀と感じるバイアスは誰にでもあります)
- 選手起用や戦略立案にフェアな意思決定が出来ていますか?(逆にアンフェアな意思決定とはどんなものでしょうか? 密室で決められている、プロセスが不透明、説明責任を果たしていない等)
あなたが、チームの監督や試合の審判だとしたら、どんなフェアネスを実践できていますか?
公正(フェア)の条件
公正(フェア)であるというのは次の要素が含まれています。
- 判断に偏りがないよう基準がある (アウトかセーフかは、ルールが予め提示されている)
- 自分のバイアスを低減する努力をしている (人間がそもそも持っているバイアスを知り対応策をうつ)
- プロセスが透明である (決め方が周知されている)
- 判断の理由が明晰に説明されている(開示できる理由がある、リーダーが説明責任を果たしている)
公正さは、リーダーの日頃の説明、声がけなどの振る舞いから創られていき、より意欲のわく職場になっていくと思います。
心理的安全性の向上を実践する中で、平等か公正(フェア)かで迷ったときは、権利とプロセスを分けて考えてみてください。
参考文献:
Fair vs Equal: When And How Can You Use Each One?
5 Ways to Spark (or Destroy) Your Employees’ Motivation
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