Four Thousand Weeks
Sam Harris氏のPodcastに出ていた、Oliver Burkeman氏の『Four Thousand Weeks』が面白かった。
面白かったポイント
- 人生約80年だとすると、4000週間しかない ー 年齢以外の数値を用いることで、新鮮に生きられる容量が感じられる (4000週間÷52週=76.9歳)
- 先送りして生きている ー こどもには「大きくなるために」、中学生には「いい大学に入るために」、大学生には「いい会社に入るために」、働いてからは「いい老後を送るために」と、常に先の幸せのために今を強いている
- 時間はスロットのように捉えている ー 何かを埋める、永遠につづく枠のようだ
時間枠の概念はどこから来るのか
1つは、仕事のカレンダーだ。毎日、月曜から金曜日まで、空いているスロットに、所狭しとミーティングをつめこんでいく。
自分のにも、相手のスケジュール表にも。
このこと一つからでも、こんな感覚になる
- 毎時間、均等である
- 時間という容器がある
- 容器に何かを入れる
- 何をいれるかで、その充実度が変わる
- その何かは、先のための何かだったりする
例えば、がんばって今日の夕方勉強する→ 1040週間後の幸せのために
永遠に生きないと回収できない幸せ
そんなはずはないと思って、今の考えで来ているわけだが、考えてみるとBurkeman氏の言っていることもあたっている。
仮に、中学生が今の楽しみよりも、がんばって将来のための勉強を3時間するとする。
156週間後に、訪れる高校入学。
じゃじゃじゃーんと、幸せを謳歌して良い時間枠がくるだろうか。
残念ながら、今の社会では、それはこない。
高校に入ったら次の156週間後の幸せのために、今を費やすのだ。
この仕組みは、いつ回収できるか決まっていないレースだ。
実は、Burkeman氏がいうように永遠に生きたとしても、永遠に次のXXX週間後のために時間を使うのだから、永遠に生きても、望んているものは手に入れられない。永遠に先送りするわけだ。
案外、意識にあがってこない「今」
Sam Harrisは、マインドフルネスのアプリ、Waking Up で成功しているほど、「いま」に造詣が深く、マインドフルネスや瞑想の実践者である。
しかし、普段の生活を立ち止まってみると、「いま」カテゴリーが少ないことに気が付く。
今考えている前のこと
昨日楽しかったこと
前にいった旅行の思い出
今考えている先のこと
今日のランチ
今日やるタスク
こんな会社に転職したい
予測マシンとDoing Nothing
最近、脳の特性に逆らわずに、認めることが、事を容易にしてくれる気がしている。
Burkeman氏は著書の最後に、時間が有限であることを受け入れるための10 Tipsを書いている。
その一つが、Practice Doing Nothing、何もしないを練習する。
ここは、脳が予測マシンであるといった、Lisa Feldman氏 が著書で説明した脳の性質と反対のことをやろうとしているわけだが、それだから意味もあるかもしれない。
予測したがる脳、いまを考えづらい脳に、1秒の「いま」の時間枠を与えることで、集中や、明晰さが生まれるかもしれない。
難しいがゆえに、何か新たな回路を見出してくれるかもしれない。
参考情報
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