やれるべきと思っていることは、適切な成長ステップか?
リーダーにとって、部下の育成はいつも頭を悩ませているテーマです。
どうしてここまでできないんだろう?
自分は、こうやってきたのに、、、
イライラは募るばかりですが、その原因は、自分の推測にある場合が多いです。
相手に対して思っている「これはやれるべきだろう」の「やれる」は、誰にとっての成長ステップでしょうか?
リーダー自身の前提と、成長ステップの捉え方について考えます。
そのイライラは期待の表れ?
リーダーが感じている「やれるべきだろう」を見ていきたいと思います。
まずは、こんな問いでどんな推測が自分にあるか見てみます。
問い1、いつまでに「これ」はやれるようになるといいと願っているか?
問い2、現時点で、「これ」は何パーセント出来ているように自分は感じているか?
雲のようにはっきりとしないモヤモヤは、問いを立てる事でその輪郭が見えてくることがあります。
やれるべき「これ」の輪郭を見よう
問い1と2に自分で答えていくと、こんな発見が出てくる場合があります。
考え1, 自分(リーダー)が部下に対して「やれるべき」と思っていることは、よく考えてみたら、1年後にそうなってくれていたらいいと思っていた。
考え2, 今は10%位しかまだ出来ていないが、それはまだ経験上、仕方がなく、10%だと少し遅いくらいかな。
つまり、「これやれるべき」の正体は、リーダー自身もはっきりと分かっていないのです。はっきりとしていないモヤモヤだからこそ、イライラが発生します。
成長するチャレンジとは?
リーダーが部下に課す「これやれるべき」は、言い換えると、今の地点から「次に進むための一歩」です。
設定した「次」が大きすぎると、部下は一歩が届きません。
簡単すぎると、「次」に進まず、成長が実現しません。
適切な成長ステップは何か?
次にこんな問いを立ててみます。
問い3, いま考えている「やれるべき」(図-A)の大きさは、次の「ステップ」のサイズとしてはどの位の大きさか?
問い4, 相手の今の地点に意識を向けてみて、部下にとって次に出来るようになるといい「ステップ」とは何か?出来たらよい行動や考えを出来るだけ具体的にイメージしてください。(図-B)
どうですか?
このように考えると、図-Aのサイズが大きすぎていたり、部下にとって途方もないチャレンジを設定してしまうことを防げます。
「次の一歩」がちょうどいいストレッチだと成長できる
リーダーの考える「やれるべき」(図-A)が大きすぎたり、レベルが高すぎると、結果、図-Bのように、足も届かず、チャレンジの経験も得られないため、出来なかった事だけが残っていきます。
成長とは、少しストレッチすれば出来るレベルの次の一歩を次々と経験していくプロセスです。
成長における、リーダーの役割は「次の一歩」の設定。
「次」をどのように設定するかで、成長が可能かどうかが決まってきます。
リーダーは、部下の今の地点を観察し、ちょうどいいストレッチした「次の一歩」を常に部下が経験できるよう、チャレンジを用意していくのが一番の仕事だと言えます。
Photo by Jakob Braun on Unsplash
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