集合研修の延期

コロナ禍で予定していた集合研修が延期または中止となった2020年。6月7月にオンラインで研修を実施したところ、今まで行ってきた集合研修との比較でメリットデメリットに気が付く機会となった。

オンライン研修の組み立て

講師が画面の中にしかいないリモート環境ながらも、参加者にいかに当事者意識を持ってもらい、集中して研修に臨んでもらうために、スケジュールを細切れに設計した。

  • 午前中3時間
  • 週に1回
  • 複数週にわたって開催

レゴ演習で「目的」を考える

また、仕事で参加する研修では、どうしても「受けさせられている感」を感じたり、「なんのための研修なんだろう」と、目的や意義が腹落ちしない参加者も少ないない。

そこで、本編に入る前に事前研修を設け、レゴブロックを使って、自身の仕事や目指したい姿について作品を作っていただいた。そして、”何のために自分はこの研修に参加するか”を問いかけ、それぞれで自分の成長への期待を、考える機会とした。

自分が自分に期待する。

とてもポジティブな響きだが、謙遜することが美徳とされる風土では、身近なフレーズではないかもしれない。それでも、ワークショップ では湧き上がるように「こうなりたい」が作品を通じて出てくるので、ファシリテーションをしていてとても嬉しい場面の一つだ。

成長するクセをつける

このように目的意識を醸成し、本編へ突入。その週に学んだことを、次の研修までに実践する、を繰り返した。

集合研修では、1日や2日間で学んだことを、講師や研修の場から離れて、一人業務に戻り、活かしていかなければならない。

しかし、今回は、学び→実践 を繰り返し、実践したことを、次の研修の場で発表、振り返りを講師や参加者に共有した。そうすることで、自分が行動したことを、行動したままにせず、次どうしたらよいかを自ら考える形とした。

サード・プレイス、成長を伴走する場

研修を実施してみると、上司でもない講師と、オフィスでもないオンライン研修の場が、サード・プレイス(第3の場)もしくは、ハーフウェイ・ハウス(中間の場)として、”成長”を伴走する場所として機能していたように感じた。

この”サード・プレイス”がある期間、参加者は自らの考えを基に成長サイクルを進む。たくさんの学びをモノにする人、少しずつ成長する人、様々なスタート地点からの出発だが、確実に全員の飛距離が伸びていた。

企業研修の進化版、、、

リモートワークが中心となった企業では、リアルの企業研修をオンライン研修に全て切り替えたが、同じような効果が期待できるか模索している所も多いだろう。

しかし、今までの企業研修も本当に社員の能力を伸ばすことに万能だっただろうか。

図らずも、コロナ禍で今回実施した、サード・プレイスのような業務の間に組み込むプログラム、知識と実践のハーフウェイ、コーチングと学びのハーフウェイ、外部講師だから出せる本音の場は、成長を促す仕組みとして可能性を感じた。

会社が用意した”学ぶべき事”を教わるのではなく、自分で考えながら成長する”サード・プレイス”を盛り込み、企業研修を進化させていくことで、リモートワーク下での成長支援を効果的に行えるだろうと考えている。

Main Photo by Dmitry Ratushny on Unsplash